「クイーンエリザベス号に乗って世界一周旅行したいな!」と思わず口にした時、「そんなの無理にきまっている。ばかばかしい!」と言われたらムカっとしませんか? ただ、「そうだね。行けたらいいね」と言ってくれればいいのに、と。
気持ちはどんな気持ちもあっていいのですが、実際にクリーンエリザベスに乗るために皆が住んでいる家を売ろうとしたら困りますね。でもそうならないのは、大人は自分の「行動」をコントロールできるからです。
子どもは「アイスクリームをおなかいっぱい食べたい!」と思ったら、まだ行動のコントロールが上手でないので制限なく食べてしまいます。「1個だけにしようね」と大人が作る「枠」が必要です。でも、それを言葉だけで「ダメ!」と伝えてもまだ無理。脳科学者の茂木健一郎さんいわく、「(2~3歳の)子どもの脳は、わかってもできない脳」なので、ママの言うことを理解はしても、実行はできないのです。
「アイス、もっと食べたい!」と冷蔵庫に突進する子どもは、言葉だけでなく、体ごと止めましょう。ママの言葉で「アイス、いっぱい食べたいよね」と気持ちに共感しながら、ママの体で「でも、やめようね!」と行動をコントロールすることができます。
日本抱っこ法協会 公認ホルダー 阿部優美