言葉の発達が心配な子がいます。その一方で、おしゃべりは達者だけど、切実なホンネの気持ちの表現は苦手という子も増えています。この両者のタイプのお子さんに共通な課題は、「自己表現をどう伸ばしていくのか」ということです。

 自己表現の基礎はボディーランゲージ、つまり、体の動き(あるいは顔の表情)による気持ちの表現です。泣きそうになった時や、怖い思いをした時など、自己表現が得意な子は、親(または信頼できる大人)に身を寄せてきたり、顔をこちらに向けて表情で気持ちを表現したりします。

 ところが自己表現が苦手な子の場合は、親のところに来ないで、かえって距離を置き、一人になろうとします。あるいは、関係のないことを喋りまくって、ホンネの気持ちを隠そうとします。そんなときは、体に触れてあげたり、顔をのぞきこんだりしてあげたりして、ボディーランゲージ的な自己表現を導くとよいでしょう。

 泣いている子には、「泣いていては、わからない!」とつっぱねるより、泣きたい気持ちをそのまま認めてあげる方が、ホンネの表現を励ますことになるのです。