自己主張が始まる2~3歳ころのしつけは、子どもの気持ちも大事とは思うけれど大人の思いや社会のルールに合わないことも多くて、むずかしいですね。
「もう~何回言わせるの。いい加減にしなさい!」とつい声を荒げて、「ああ、またやっちゃった」と後悔しても、次の日には同じことの繰り返し。「怒鳴っちゃいけないのは分かっているけど、おだやかに言っても聞かない子のしつけはどうしたらいいんですか?」など、とても多いご相談です。
今この場で言うことを聞かせるために、親が怒鳴ったり、おどしたり、罰を与えたりすることは現在すべて体罰として法律で禁じられています。子どもが自分で考え、自分で葛藤を乗り越える力がつかないし、思いを否定された怒りがたまって攻撃的になったり、人がどう思うかばかり考えて自分の気持ちで行動を選べない子になったり、よい結果につながらないことが多くの研究で証明されているからです。「言うことを聞かせるしつけ」は、裏目に出ることが多いのです。
「今この場で」ではなく、同じことを何度でも、時間をかけてていねいに、でも堂々巡りではなく少しずつらせん階段を上るように、「子どもの生きる力を育てるしつけ」を来月以降のハガキで考えていきたいと思います。