先月のハガキで、一見わがままや自己中心に見える子どもの気持ちを否定しないで大切に受け止めることが、相手の気持ちに配慮できるようになる「はじめの一歩」と書きました。安定したお座りができるようになると、自然につかまり立ちが始まるように、自分が感じるままの気持ちが受容され共感してもらう経験を積んで、自分の気持ちがわかってくると相手の気持ちに気づいたり、自分の気持ちと折り合いをつけて待ったりゆずったりできるようになります。
それって子どもが悪いことをしても叱らず、言いなりになるってこと? いえいえ、否定しないで大切にするのは「気持ち」。どう感じるあなたもOKだけれど、行動には制限があることを教えるのがしつけです。
「せっかく作ってたのを妹が壊しちゃってごめんね。もうちょっとで完成だったのに、悔しいね。でも、妹を押さないで。小さい子はすぐころんじゃうから。妹が痛いのも、ママは悲しい」
子どもが今感じている気持ちを言葉にしてしっかり受け止めた上で、「ほしくても手に入らないモノがある」「したくてもできないトキや、してはいけないコトがある」ということを、根気強く何度でも繰り返し教えるのは、もちろん大人の責任です。