親がイライラせず、落ち着いた気持ちで子どもと接することは、子育てで大切なことです。でも、これって、けっこう難しいですよね。気持ちをうまく整えていくコツは、心の中の〈子どものわたし〉を想像してみることです。

 子育てをしていると、まるで子どものように「泣きたい」「ヤダヤダ言いたい」「甘えたい」という気持ちが湧いてくることがあります。これは、〈子どものわたし〉の言い分だ、と考えるとよいのです。

 心の中の〈子どものわたし〉に対して、「泣くな。いつも笑顔で!」「ヤダヤダ言わずに、親としてがんばれ!」「人に甘えず、自分だけで乗り切れ!」と、いつも我慢を要求していると、かえって〈子どものわたし〉にストレスが溜まります。その状態で、子どもの気持ちを受けとめようとすると、親の心の中の〈子どものわたし〉が「泣くんじゃない!甘えるんじゃない!私だって我慢しているんだから」と騒ぎ出すのです。

 心の中の〈子どものわたし〉に、「泣きたい時は、泣いていいよ」「時には、甘えさせてもらっていいよ」と声をかけてあげてください。きっと落ち着いてくるはずです。

子育てカウンセラー 萩原 光