赤ちゃんの体の機能がお座りからつかまり立ち、一人歩きへと発達していくように、心も順を追って少しずつ発達します。ザックリ言うと、①感じるままの気持ちを大人にたくさん共感してもらうことで、自分の気持ちがわかってくる。②共感してもらった自分の気持ちと照らし合わせて、相手の気持ちを想像できる。③相手の気持ちを考え、自分の気持ちとの葛藤に自分で折り合いをつけて、待ったりゆずったりできる、という流れです。

3歳以前は、発達段階として自分の気持ちも相手の気持ちもよくわかっていません。おもちゃの取り合いで「取っちゃダメ」「貸してあげなさい」と叱るのは、まだお座りができない子に「歩きなさい」と言うようなものなので、適切ではありません。

人が持っているものが欲しい気持ちも、全部大事で一つも貸せない気持ちも、「気になるねぇ ほしくなっちゃったか~」「どれもみんな使ってるんだね」などとそのままに受け止め共感してあげたうえで、適切な行動を繰り返し教えることが、自分の気持ちがわかり、いずれそれと照らし合わせて相手の気持ちを想像できるようになる「はじめの一歩」です。どんな気持ちも否定しないで、しつけるのは行動だけ。次回から、その方法を考えます。